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これらの研究を受けて、洪水の影響軽減に真の改善をもたらすための確固たる基礎を確立すべく、国際社会の努力を調整することにつき世界銀行が合意したことを歓迎する。 さらにこのような計画に積極的に加わる意思のある国々が参加してバングラデシュ政府の主催により今年末までに英国で開催される会合において世界銀行が議長を務めることを承諾したことを歓迎する。
日われわれは、急速に悪化しつつある脆弱な乾燥地帯における状況の変化をモニターする必要性に応えたサハラ地域観測所設置共同計画のような計画に、政治的支援を与える。 東京提言個二九八九年八月四日)。
危機から再生への出発。 現在五二億人を数える世界人口は紀元二000年までには六二億人に、二0二五年には八五億人に達する。
この人口増加の九0パーセント以上は飢餓と貧困の諸問題にすでに直面している開発途上国で起こる。 先進国の資源消費が環境に影響を及ぼすと同様に急激な人口増加もまた深刻なインパクトを与えている。
人口成長、人口配分、資源消費および活用と環境変化は、危機的な状況に陥っている。 『母なる地球』を愛する私たちは、どうしたら地球をこれ以上傷めずに人々の暮らしを向上させ、『母』の恵みを次の世代に引き継げるかを話し合うため一九八九年夏、東京に集まった。
アジアやアフリカや、ヨーロッパ、北アメリカからやってきた「地球ウォッチャー」や政治家、NGOのリーダー、それに国際機関やシンクタンクの代表は、それぞれの国と地域の人々の暮らしぶりや心配事を報告し、地球の未来への展望について語り合った。 一九八九年八月三日から二日間にわたって開催された国際シンポジウム『人類生存への道』は『人口』と『開発』と『環境』は、密接な連繋関係にあるとの共通認識を前提に行なわれた。

討議の結果、地球の健康を守るためには国境や民族、宗教や文化の違いを超えて、いまや人類全体が共同して責任を分かち合わねばならないこと、とりわけ開発途上国と先進工業闘がお互いの経験や知識を交流し、技術や資本を活用して協力し合う必要性が従来にも増して強く認識された。 環境問題資料集「生存への条件』『五二億人の地球と環境』「新しい南北協力への道』『人口と開発と環境の調和をめざして』という四つのセッションを通して、次の諸点が確認された。
@地球の生態系は、環境容量。 を超える人間活動によって、いたるところで破綻を見せている。
人口、エネルギー、食糧の持続的な維持へ向け、世界は緊急に協力すべきだ。 また今後のエネルギーは太陽熱などの活用を図るべきである。
A先進工業諸国による大気汚染などの環境破壊とならんで、熱帯雨林の消失、都市のスラム化第四部にみられるように、途上国の貧困が、地球規模の環境危機の構造的な原因になっている。 B人口・環境・開発は地球全体の問題であり、かっ、南北の分配の公平、公正の問題を含んでいるため、各国聞の協調と協力が必要である。
C人口・環境・開発の相互の聞には、対立した関係があることも事実である。 また南北の聞にもこれからの問題について利害の衝突があることを認めねばならない。
それゆえに、人類が一つの共同体を共有しているという意識で、取り組む必要がある。 このような共通の認識に基づき、私たちは、各方面に次の措置を取るように強く要請する。
川国連への要望・より強力なリーダーシヨプを人口、環境、開発は相互に関連しているので、国連はこの問題の全地球的な解決を生み出すように努め、世界各国が共同してこの作業に当たるよう説得すべきである。 国連は、これまでの三0年間、開発途上国の人々の生活の質的向上をめざす開発戦略を進めてきた。
しかし、この間の成果は限られたものであった。 今日、国連は『第四次開発の一0年』に取り組みつつある。
このさいの開発戦略は、上記三つの分野の相互関係に特別な関心を払う必要がある。 また国連人口基金と国連環境計画・国連開発計画は、他の国連諸機関と協力して、人口の急速な増加と偏った分布、およびそれが環境に与える諸問題を解決すべきプログラムをつくり、かつ実施すべきである。

日本政府および国会への要望・『南北センター』の設置を『人口』と『環境』の聞に適切なバランスを保ち、持続可能な開発を進めるためには先進工業国と開発途上国との協力が不可欠である。 その協力方法が資金を通じてであれ、技術を通じてであれ、成否を決めるのは結局、専門的知識とノウハウを持つ人材の存在である。
非西欧圏で初めて本格的な工業化と多産多死から少産少死への人口転換を成しとげた日本は、この面で大きな寄与を成しうる。 このような観点からわれわれは、日本に、地球規模の人口・環境・開発に関する高度な研究と教育機能を合わせもつ『南北センター」を、世界の英智を結集して設立するよう提案する。
その場合、米国連邦議会によって一九六0年に設置された東西センター(ハワイ)の設立過程、および現在の活動が大いに参考となろう。 超党派的議員立法による設立は、政府による問機関への財政支援を容易にし、民聞からの寄金にも道を聞くことになる。
日本政府への要望・『世界人口会議』(一九九四年)の日本開催を一九五四年(ローマ)以来、一九六五年(ベオグラ−ド)、一九七四年(ブカレスト)、一九八四年(メキシコシティ−)と、ほぼ一0年ごとに開催されてきた『世界人口会議』は、人口に関する世界の世論を次第に一つの方向にまとめあげてきた。 一九八四年のメキシコ会議では『開発と人口は不可分なものである」との認識で、ほぼ世界各国の合意が成立したのである。
人口政策立案をめぐっては今日もなお、宗教・文化的背景の相違などから鋭い対立状況があることは否定できない。 それにもかかわらず従来とかくその『量』をめぐる議論に偏りがちだった人口問題は、近年『質』、すなわち母子の健康や栄養、家族計画、寄生虫予防、を含む健康教育および女性に教育の機会を与えるなど『統合』(インテグレーション)された形で取り上げられる傾向が主流となりつつある。
日本は、第二次大戦後、人口過剰と貧困を克服し、同時に経済発展を成しとげてきたが、その背景には高い教育水準と公衆衛生思想の普及が大きく寄与してきた。 こうした日本の戦後の経験はいまなお過剰人口の圧力と貧困に苦しんでいる多くの開発途上国に一つのモデルを提供することができよう。

その意味で次回の『世界人口会議』を日本で開催することは、日本が主要な援助国として国際社会へ大きく貢献をするうえで積極的な意味をもつものと確信する。 環境問題資料集凶対外援助の促進のために@世界の主要開発援助国への要望主要先進工業国政府は国連が提案した政府開発援助を国民総生産(GNP)の0・七パーセント目標値の達成に向け努力すべきである。
開発援助は貧困固に対する援助に重点をおき、かっ、自国の利益を守るのみであってはならない。 さらに、開発援助は人口と環境の基本問題第四部に特に注意を払うべきである。
また、開発途上国間の技術協力を促進し、多国間援助機関はNGOのチャンネルを活用すべきである。 @日本政府および国会への要望一九八九年の日本の政府開発援助(政府開発援助)一一0億ドルは開発援助委員会(DAC)一八ヵ国中、拠出総額では最大である。
日本のODAがどう使われるかは開発途上国の貧困の問題に関心を持つ人々からはもちろん、人口問題や環境問題の専門家集団からも注目されている。

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